GA4を導入してページビューが見られる状態でも、予約や問い合わせが正しく計測できているとは限りません。クリニックのWeb集客で重要なのは、アクセス数ではなく、どの流入から予約・問い合わせにつながったかを判断できる状態です。
この記事で分かること
- クリニックで最初に決めるべきGA4の成果指標
- イベントとキーイベントの考え方
- GTMで計測するときの確認方法
- 外部予約システムを使う場合の注意点
- GA4と実予約データをどう照合するか
GA4設定は「何を成果とするか」を決めるところから始める
最初にタグを設置するのではなく、ユーザーの行動を整理します。例えば、クリニックのサイトでは次のような段階が考えられます。
- 施術・サービスページを見る
- 予約・問い合わせCTAをクリックする
- フォームや予約システムへ進む
- 予約・問い合わせを完了する
- 実際に来院する
Web上で直接計測できるのは主に4までです。5の来院や売上は予約システム、電子カルテ、CRM、スプレッドシートなど別データと照合する必要があります。
イベントとキーイベントを分けて設計する
GA4では、ユーザー行動をイベントとして記録します。その中で、ビジネス上特に重要なアクションはキーイベントとして設定できます。
すべてのクリックをキーイベントにするのではなく、成果との距離で分けると分かりやすくなります。
| 行動 | イベント例 | 扱い |
|---|---|---|
| 予約ボタンクリック | reservation_click | 中間指標 |
| 問い合わせフォーム開始 | contact_start | 中間指標 |
| 問い合わせ完了 | contact_submit | キーイベント候補 |
| 予約完了 | reservation_complete | キーイベント候補 |
イベント名は例です。既存のサイト・予約システム・広告計測との整合性を確認して決めます。
問い合わせ完了は「ボタンクリック」ではなく完了状態で計測する
よくある計測ミスが、送信ボタンをクリックした時点で問い合わせ完了としているケースです。入力エラーや通信エラーがあってもクリックは発生するため、実際の送信数とズレる可能性があります。
可能であれば、完了ページの表示や、送信成功後に発生するイベントなど、実際の完了状態に近い条件で計測します。GA4では既存イベントの条件に基づいて新しいイベントを作成する方法も提供されています。
GTMを使う場合はプレビューで1件ずつ確認する
Google Tag Managerを利用する場合、公開前にプレビューモードでテストします。Googleの公式ヘルプでも、プレビューとデバッグ機能を使い、タグが発火したか、どの順番で実行されたかを確認できます。
最低限、次をテストします。
- 対象ページを開いただけでは予約完了が発火しない
- CTAクリックで意図したイベントだけが発火する
- フォーム送信失敗時に完了イベントが発火しない
- 正常送信時に1回だけ発火する
- スマホでも同じ動作になる
外部予約システムを使う場合はドメインを確認する
公式サイトから別ドメインの予約システムへ遷移する場合、GA4上ではサイトと予約システムが別ユーザー・別セッションのように見えることがあります。Googleは、複数ドメインをまたぐユーザー行動を一貫して測定するためのクロスドメイン測定を提供しています。
ただし、外部予約システム側に自院のGoogleタグを設置できない、タグ設定に制約がある、といったケースもあります。その場合は「予約システムへの遷移クリック」までをサイト側の中間指標として計測し、実予約件数は予約システム側データと照合する運用にします。
GA4だけで売上評価を完結させない
GA4で問い合わせ完了が10件計測されても、実際に有効な問い合わせが何件だったか、予約・来院・契約につながったかは別問題です。
クリニックでは、次のようにWebデータと実データを接続して見ることが重要です。
| 段階 | 主なデータ |
|---|---|
| 流入 | GA4、広告媒体、Search Console |
| 予約・問い合わせ | GA4、フォーム、予約システム |
| 来院 | 予約・受付データ |
| 契約・売上 | 売上管理データ |
設定後の確認手順
- 計測対象となる予約・問い合わせ導線を一覧化する
- イベント名と発火条件を決める
- GTMプレビュー等で動作確認する
- GA4でイベント受信を確認する
- 重要な完了イベントをキーイベントにする
- 実際のフォーム受信件数・予約件数と定期的に照合する
まとめ
クリニックのGA4設定では、タグを設置することよりも、予約・問い合わせのどの段階を計測し、最終成果とどう照合するかを決めることが重要です。
リットエイドのデータ分析・ダッシュボード構築支援では、GA4や広告媒体だけでなく、予約・売上データまで含めた成果の見方を整理します。